FAQ(航空身体検査)

航空身体検査上、手術による子宮筋腫の摘出は術歴として不適となるでしょうか。

【質問】
子宮筋腫が(10cm)あり、月経過多のため貧血(ヘモグロビン数値6)を患っています。
重度の貧血は不適ということで、薬物療法(クエン酸第一鉄Na)もあるのですが、子宮筋腫の摘出を行うことで、貧血を改善できるということで診療いただいています。
この場合、航空身体検査上、手術による子宮筋腫の摘出は術歴として不適となるでしょうか。
また、航空身体検査上、薬物療法と手術による子宮筋腫の摘出だとどちらが最適でしょうか。
ご教示いただきたく存じます。

【回答】
鉄剤を使用する場合には、使用開始後、少なくとも1週間の経過観察期間を経て、使用医薬品の副作用が認められず、貧血の原因となる基礎疾患が無いことを指定医又は乗員健康管理医が確認した場合は、適合となります。
貧血について、地上で無症状であっても上空で低圧低酸素にさらされた場合に航空業務に支障を来すおそれがあることを考慮し、男性ではヘモグロビン(Hb)値11g/dl 未満又はヘマトクリット(Ht)値33%未満、女性では Hb 値9g/dl未満、Ht 値27%未満を目安に慎重に判断すること。
生殖器官の手術後1ヶ月以内のもの(経尿道的電気的切除術-TUR を含む。)は、不適合となります。
子宮筋腫について、貧血を来すような出血等がない場合は、適合です。
ということから、ヘモグロビン6は不適合状態です。
鉄剤だけでは恐らく改善はせず、ホルモン剤等の併用も必要となり、使用する薬剤によっては大臣判定となります。
手術に関しては1か月の乗務停止で、術後経過良好ならば、指定医適合となります。
従いまして、まずは主治医の先生の治療方針に従い、手術にするのか薬物療法にするのかは、航空身体検査うんぬんよりも、まずは、一般的な医学のガイドラインに従って治療を優先してください。
結果、大臣判定になるのか指定医適合となるかはわかりませんが、いずれにせよライセンスは復活しますので。
以上です。

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